IUU漁業という言葉をご存知でしょうか? 持続可能な開発目標(SDGs)14.4に出ていて、世界ではその廃絶が進められています。IUUは、違反・無報告・無規制漁業=Illegal、Unreported、Unregulatedの頭文字をとった言葉です。
今年は2023年なので、すでに期限が過ぎてしまっていますが、「2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する」というのがその内容でした。
15年に国連で採択されたSDGsは、義務教育やテレビ番組でも取り上げられるようになっています。しかしながら、わが国ではその中にあるSDGs14(海の豊かさを守ろう)、特にSDGs14.4の中にあるIUU漁業の終了が進んでいるとは言えません。そもそもIUU漁業という言葉とその意味自体が、ほとんど知られていないというのが現実ではないでしょうか?
IUU漁業は資源管理と深く関係しております。つまりこれを放置すれば乱獲が進み、資源に大きな悪影響を及ぼしてしまいます。
IUU漁業は海外での問題ではなく、わが国でもあちらこちらで起きてしまっています。上のグラフをご覧下さい。20年の密漁の検挙数は1426件にも上ります。検挙されずに流通している数量がどれだけあるのか想像してみてください。