2022年10月3日(月)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2022年4月23日

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片野 歩 (かたの・あゆむ)

水産会社社員

東京生まれ。早稲田大学卒。2015年水産物の持続可能性(サスティナビリティー)を議論する国際会議シーフードサミットで日本人初の最優秀賞を政策提言(Advocacy)部門で受賞。1990年より、最前線で北欧を主体とした水産物の買付業務に携わる。特に世界第2位の輸出国として成長を続けているノルウェーには、20年以上、毎年訪問を続け、日本の水産業との違いを目の当たりにしてきた。著書に『日本の水産資源管理』(慶應義塾大学出版会) 『日本の漁業が崩壊する本当の理由』『魚はどこに消えた?』(ともにウェッジ)、『日本の水産業は復活できる!』(日本経済新聞出版社)、「ノルウェーの水産資源管理改革」(八田達夫・髙田眞著、『日本の農林水産業』<日本経済新聞出版社>所収)。

中国に高値で輸出される乾燥国産ナマコ(筆者撮影)

 

 青森県大間での水揚げ量の誤魔化しによるクロマグロの「横流し」、熊本県での長年にわたるアサリの産地偽装、暴力団の資金源と見られているナマコの密漁逮捕といった報道。この他にもワカメの産地偽装、シラスウナギの密漁など次々と違反が出て来ています。

アワビも大間のクロマグロも、トレーサビリティを確保し、不正なものでないことが証明できているのか?(筆者撮影、一部加工を加えております)

「サカナとヤクザ」の世界が現実に起こっている

 2018年に出版されて注目を集めた『サカナとヤクザ』(鈴木智彦著、小学館)では、「築地で密漁アワビは売っているんですか?」「ああ、売られているよ」「密漁物は横流しから転じて、ヨコモノと呼ばれる。正規のナマコがここまで高値になっているのは、ヨコモノの購入を前提に価格が決まるからという」。といった不正の場面がたびたび出て来ます。

(出所)水産庁 写真を拡大

 上の表をご覧ください。ナマコ、アワビ、シラスウナギ(養殖用)といった高級商材に関して20年の漁業法改正により、罰金が3000万円以下(下表)と強化されています。しかしながら、クロマグロやアサリを始め、まだまだ他の水産物では規制が緩いのが現実です。違反して儲かる金額に比べて罰金も罰則も甘ければ、不正は減りにくいのではないでしょうか?

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