青森県大間での水揚げ量の誤魔化しによるクロマグロの「横流し」、熊本県での長年にわたるアサリの産地偽装、暴力団の資金源と見られているナマコの密漁逮捕といった報道。この他にもワカメの産地偽装、シラスウナギの密漁など次々と違反が出て来ています。
「サカナとヤクザ」の世界が現実に起こっている
2018年に出版されて注目を集めた『サカナとヤクザ』(鈴木智彦著、小学館)では、「築地で密漁アワビは売っているんですか?」「ああ、売られているよ」「密漁物は横流しから転じて、ヨコモノと呼ばれる。正規のナマコがここまで高値になっているのは、ヨコモノの購入を前提に価格が決まるからという」。といった不正の場面がたびたび出て来ます。
上の表をご覧ください。ナマコ、アワビ、シラスウナギ(養殖用)といった高級商材に関して20年の漁業法改正により、罰金が3000万円以下(下表)と強化されています。しかしながら、クロマグロやアサリを始め、まだまだ他の水産物では規制が緩いのが現実です。違反して儲かる金額に比べて罰金も罰則も甘ければ、不正は減りにくいのではないでしょうか?