必要性高まる情報機関へのリテラシー
こうした経緯から、情報機関の重要性が認識された結果、その後平成、令和と時代を経る中で、政府はインテリジェンス・コミュニティの整備を行ってきた。そして第二次安倍晋三政権での特定秘密保護法や国際テロ情報収集ユニットの整備につながる。
著者があとがきで記すように、日本のインテリジェンス・コミュニティの形成過程を歴史的に踏まえた書物はこれまでなかった中で、本書は詳細な調査や関係者への取材を重ねて丁寧にまとめられている。情報機関に関する日本国民のリテラシーを向上させてくれる貴重な力作であり、公務員や企業関係者も含めて必読の一冊である。