2024年11月22日(金)

インドから見た世界のリアル

2023年2月21日

日本はどう関与すべきか

 今後、インドはどのような方向へ進むだろうか。インドは、ソ連やロシアとの深いつながりからスタートして、徐々に西側諸国と関係を改善してきた国だ。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、その傾向には拍車がかかるだろう。

 だが、インドは、西側諸国への不信もあって、国産化へ力を入れていくのは間違いない。そして実際に、戦車も、戦闘艦艇も、戦闘機も、自ら作る力を持ち始めている。

 興味深いのは、インドが国産といっている武器が、実際には、多くの輸入部品で構成されていることだ。例えば、アージュン戦車は60%が輸入品といわれている。インドの国産艦艇も、国産戦闘機も、エンジンは米国製である。

 インドに対する武器輸出で成功を収めてきたイスラエルやフランスの例を見ても、インドの国産の武器、またはロシア製の武器の改造パーツのようなものを売ることで、徐々にインドの武器体系に食い込んできた歴史がある。

 つまり、今後、インドが国産の武器を積極的に推進する中で、その国産の武器の部品を供給する方法がより重要になってきている。まさに「浸透」するように、インドに食い込んでいく方法である。

 今、日本とインドの間では、海軍艦艇に搭載する最新型アンテナ「ユニコーン」の取引が協議されている。軍事用無人車両の共同開発も行っている。

 それらが成功すれば、「浸透」の好例になろう。インドの国産の武器開発プロジェクトに浸透し、修理や弾薬の供給を通じた関係を強化することが、長い目で見て、インドを日本側に近づけていく、有用な方法と考えられる。

 
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 ロシアのウクライナ侵攻は長期戦の様相を呈し始め、ロシア軍による市民の虐殺も明らかになった。日本を含めた世界はロシアとの対峙を覚悟し、経済制裁をいっそう強めつつある。もはや「戦前」には戻れない。安全保障、エネルギー、経済……不可逆の変化と向き合わねばならない。これ以上、戦火を広げないために、世界は、そして日本は何をすべきなのか。
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