2024年6月14日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2023年3月2日

 それでもう目的は達成したはずだが、北京は、この予備選挙を組織した民主活動家を処罰することに固執している。中国共産党は反民主主義で人権を無視する政党であることを、この件でも暴露している。香港で人気のあった、中国に批判的な論調で知られた香港の新聞「リンゴ日報」の主筆、ジミー・ライもリンゴ日報が廃刊された後に逮捕され、中国で裁判にかけられている。

クリミア併合と重なる香港弾圧

 中国の香港での振る舞いは厳しく監視して、それを記録にとどめる努力を今後も続けていく必要がある。香港で起こっていることについての日本を含む西側諸国の対応は、まだ不十分であるように思われる。十分な制裁は行われておらず、通常のようなビジネス関係が続けられている。結果として香港の事例は習近平の手柄になっている。

 これはプーチンが2014年にクリミアを併合して国内での支持率が急騰したことに似ている。プーチンはこの成功体験をもとに今のウクライナ戦争を始めたのではないか。香港を習近平の成功体験にしないようにすべく努力する必要がある。

 習近平が台湾侵攻を試みる時期が迫っているとの予想があるが、彼の香港政策への代償を高めていくことが抑止につながると思われる。香港で今起こっていることは、台湾を中国が併呑した時に台湾で起こることを示している。台湾問題は、台湾がチベット、ウイグル、香港のような人権無視の地域になるか否かの問題でもある。

   
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