2024年12月27日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2023年3月22日

HUNG CHIN LIU/Gettyimages

 米下院「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会」のマイク・ギャラガー委員長が、中国による抑圧、悪意ある影響力工作、台湾いじめに対抗するために、台湾の自衛を支援するとともに、中国の残虐性について真実を語っていくべきだと、2023年2月21日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)で述べている。

 台湾人は、中国共産党の攻撃をものともせず、民主国家をつくり繫栄させている。昨年8月、ペロシ下院議長訪台の直後、中国の戦闘機が台湾領空を侵犯し、軍艦が台湾領海を航行し、台湾周辺で爆弾を爆発させた。

 われわれが中国共産党を如何に抑止するかを考える時、いじめっ子への対応を考えるのが有用だ。それは、友人を集め共に立ち上がることだ。

 台湾の頼清徳・副総統は会談において、1対1では中国共産党が勝つかもしれないが、一緒に戦う米国主導の同盟国とパートナーのチームには勝てない、と言った。砲撃が始まる前にインド太平洋にハードパワーを供給し、台湾への未処理の200億ドル近い対外有償軍事援助を承認することは、われわれの友人に自信を与え、敵を躊躇させるだろう。

 世界中で展開されている共産党の悪意ある影響力工作に対抗するために、中国の残忍で大量虐殺的な政権について真実を語らなければならない。

 習近平総書記が、台湾海峡の勢力均衡や中国人民が真実を悟った場合の共産党へのリスクを計算し、「今日はその日ではない」と思うように、われわれは仕向ける必要がある。

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 2月に訪台し、蔡英文総統とも会談したギャラガー米下院中国特委員会委員長(共和党)のWSJへの寄稿文である。米国としては台湾の自衛の努力を最後まで支援する、と述べ、中国による「台湾いじめ」に対抗する、と明言した。

 中国共産党による「戦狼外交」を挙げ、特に昨年、ペロシ下院議長が台湾を訪問した際の台湾周辺海域における中国の大規模軍事演習に言及しつつ、「いじめっ子への対応を考えるには、友人を集め、ともに立ち上がることが肝要である」と述べている。

 さらに、台湾の防衛をめぐっては、「1対1では中国共産党が勝つかもしれないが、一緒に戦う米国主導の同盟国とパートナーが一体となれば、中国は勝てないだろう」との台湾民進党副主席の頼清徳の言葉を引用している。

 ギャラガーは「台湾有事」については、「台湾有事」の砲撃が始まる前に、米国としては、インド太平洋にハードパワーを提供し、台湾への未処理の200憶ドル近い有償軍事支援を承認し、友人に自信を与えるとともに、敵を躊躇させるのが得策である、という。

 ギャラガーの主張は明確である。米議会での対中対抗姿勢の新たな動きとして注視する必要があろう。


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