海外で存在感強める原子力発電所
原子力発電に対する世界の世論動向を見ると、ドイツ、イタリア、スイスなど、元々反原子力世論の高かった国を除くと、新興国を中心に原子力発電に期待する国は増加傾向にある。
中国は230基を超す原発の新設計画を持ち、さらに高速増殖炉、高温ガス炉、トリウム溶融塩炉、進行波炉等の開発も進めており、世界に向けた輸出をも視野に入れている(本誌6月号オピニオン欄参照)。
福島第一原発事故が起きてしまったものの、我が国が世界最先端の原子力技術を有していることには変わりない。国の新規制基準には設計や運転マネジメント技術に事故の教訓が反映されており、我が国の技術的先進性はさらに高められたと言える。我が国はその技術を世界に提供する責任がある。
これから建設される原子力発電所には今回の事故の教訓を活かして二度と同じような事故が起きない対策を施すべきであり、それを実現できるのは我が国をおいてほかにない。原子力技術は我が国が自信を持って海外に提供できる数少ない技術だと言える。
原子力を早期に再稼働させることは経済再生の鍵である。そのため、新規制基準に適合した原発の安全審査をスピーディーに進める上で原子力規制委員会の責任は非常に重大である。
また、原子力規制委員会は新しい規制基準や審査状況についての説明責任を果たし安全規制の透明性を向上させて一刻も早く国民の信頼を回復してもらいたい。
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