2024年11月27日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2023年4月18日

 昨年、日本は経済的依存に基づく威圧から身を守るため経済安全保障推進法を採択した。最近では、中国の経済的威圧に直面する米国の同盟国を助けるため、新たな手段を政府に与える法案が米議会に提案された。それぞれ個別にも有用なイニシアティブである。しかし、集団的なアプローチがより強力な抑止となるだろう。

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 中国の経済的威圧に対抗する手段を持つことは重要で必要なことである。3月28日、EUでは、理事会と欧州議会が、第三国によるEUおよび加盟国に対する経済的威圧に対抗する仕組みを規定するEU規則について原則的な合意に達した。

 最終的に承認されれば、欧州委員会はそれ自身の発意あるいは加盟国の要請により、経済的威圧のケースの調査を行い、一定の要件を充たすことを認定すれば、対抗措置(関税、輸出入ライセンス、政府調達などの分野における貿易措置)を提案し、提案が理事会により特定多数決で否決されない限り、実行されることになる。この仕組みは、2021 年のリトアニアのケースが直接の引き金となった訳ではないが、欧州委員会が2021年12 月に提案して以降、検討されてきたものである。


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