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田部康喜のTV読本

2023年5月20日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 サチ(清野)は、母親に新しい車いすを買ってあげる。2人で外を散歩中に、父親の中野博嗣(尾美としのり)に見られた。

博嗣はサチに土下座してカネを貸してくれるように頼むのだった。「新しい車いすに乗っているのを見て景気がよさそうだと思って」と。

3人にどんな光が見えるのか

 ドラマの展開をさかのぼる。宝くじが当選して、銀行で口座をそれぞれが作ったあと、3人は円陣を組むように抱き合った。サチは「幸せになろうね。不幸になっちゃだめだよ」「それじゃあ、これで解散しよう!」

 3人はいったん解散した。しかし、これから3人は一緒になって幸せに向かっていくのだろう。

 岡田惠和の脚本は悲劇を扱っても、未来の幸福に光がみえる作品が多いように思う。「日曜の夜ぐらいは」もまた、都会の孤独な女性たちに勇気を与える結末が待っているように感じる。

  
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