田部康喜のTV読本

2021年11月13日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 「婚姻届に判を捺しただけですが」(TBS・火曜よる10時)は、坂口健太郎が清野菜名と「偽装結婚」するラブ・コメディである。大手広告代理店に勤める、百瀬柊(健太郎)は、中学校時代の同級生で兄・旭(前野朋哉)と結婚した、美晴(倉科カナ)を愛するがゆえに、かなわぬ夢をあきらめる「偽装結婚」相手を探していた。

(sharaku1216/gettyimages)

 デザイン会社で働いている、大加戸明葉(清野)も、「偽装結婚」の理由も告げられないままに、百瀬(健太郎)から持ちかけられた。あまりにも、バカバカしい話なので、いったんは断った明葉だったが、実家の小料理屋を継続するために500万円が必要になる。

 「わたしの人生を500万円で、百瀬さんに預けます」-ふたりの結婚生活が始まるのだった。清野菜名は、NHK朝の連続小説「半分、青い。」(2018年上期)で、ヒロインの永野芽郁の友人役で“全国区”になった、可憐な女優である。

 清野の俳優としての背骨ともいえる、演技の中核には実は、「アクション俳優」としての存在がある。映画「TOKYO TRIBE」(2014年・園子温監督)や、ドラマ「今日から俺は!!」(2018年・日テレ)などに、男優を圧倒する演技をみる。

 若手俳優の実力派である、健太郎を相手にして、テンポのよいセリフをポンポンと発していく様子をみると、アクション俳優の鍛えられた体幹を感じる。

「友達感覚」と「秘めた恋」のズレ

 百瀬(健太郎)はついに、明葉(清野)に「偽装結婚」の理由を告白して、兄嫁である美晴(倉科)に対する愛を明らかにする。涙を流しながら。明葉(清野)は、そんな百瀬をそっと抱きしめる。

 「友達のハグです」と。

 「偽装結婚」の結婚届を出すのに際して、百瀬はいくつかの約束を盛り込んだ「契約書」をつくった。「相手のことに深入りしないこと」「お互いを好きにならないこと」……。

 百瀬は、明葉にハグされた翌朝から、態度が一変する。「友達ですから」を連発しながら、明葉とゲームをしたり、食事をいっしょに食べたりし始める。

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