「日曜の夜ぐらいは...」(テレビ朝日系・朝日放送制作、毎週日曜よる10時)は、女性の心理を描いては当代屈指の脚本家・岡田惠和による孤独な女性が友情をはぐくんでいくドラマである。音楽はクラシックピアノを学んだ若手作曲家の日向萌。静かに流れるバックグラウンドのなかで、若手女優のトップクラスの清野菜名、岸井ゆきのと生見愛瑠が起用にこたえている。女性ドラマの傑作である。
岡田惠和の脚本作品には、ドラマ『南くんの恋人』、連続テレビ小説『ひよっこ』そして、書籍と映画が大ヒットした『余命10年』(小松菜奈主演)などがある。
岸田サチ(清野)は事故で車いす生活を送る母・邦子(和久井映見)と二人暮らしでファミレスのバイトをしている。母親と離婚した父親・中野博嗣役に尾美としのり。
野田翔子(岸井)は家族と別れて一人暮らしするタクシー運転手。樋口若葉(生見)は祖母と二人暮らしでともにちくわぶの工場で働いている。男性関係が激しく、家を出てしまった母親・まどか役に矢田亜希子。
映画『恋は雨上がりのように』のヒロイン・小松の友人役だった清野、『愛がなんだ』のヒロインとして破天荒な演技でヒット作を生んだ岸井は、いまや日本を代表する女優である。絡むモデル出身の生見も清野と岸井の演技と競うようにして、才能の片鱗を見せている。
旅行と宝くじが引き合わせた友情
3人ともに恋人もいない、孤独で単調な生活を過ごしている。そこには将来の夢もない。家族関係を含めて、3人の暮らしぶりは徐々に明らかになっていく。ドラマの進展と合わせて描く脚本家・の岡田惠和の手腕を感じるのも楽しみのひとつである。
ラジオの番組が企画した週末の1泊2日のバスの小旅行で三人は出会う。主催者がランダムに組み合わせた3人組に入ったのである。