もっとも、現実には、革命防衛隊内には筋金入りの強硬派が少なくないと思われ、革命防衛隊にそのような現実的な対応ができるかどうかは、革命防衛隊内部の統制がどれだけ取れているかに掛かっているのではないか。しかし、革命防衛隊の内部は部外者にはブラックボックスであり、部外者には皆目分からない。
とはいえ革命防衛隊も不人気
一つ付け加えると、イスラム革命から40年以上が経過し、イラン国民が「聖職者による支配」に飽きているのと同様に、革命防衛隊も国民の間で不人気なのは間違いない。去年のスカーフ・デモが典型だが、国内で反政府デモが起きると鎮圧の先頭に立つのは革命防衛隊だ。そして、イスラム革命体制下で聖職者と革命防衛隊は様々な特権を有しているのにも関わらず両方ともリクルートに苦労しており、国民の間での不人気ぶりを物語っている。
なお、改革派について言及があるが、今となっては、改革派が勢力を盛り返すチャンスは、ほとんどない。革命防衛隊が権力を掌握し、服装や飲酒の規制を緩めれば、大多数の国民はそれで満足してしまうからである。