2024年11月22日(金)

2024年米大統領選挙への道

2023年7月27日

「ウクライナ支援停止ないし削減」と税金

 米FOXニュースは、バイデン政権下でウクライナは433億ドル(約6兆1000億円)の軍事支援を受けたと報じた。

 クイニピアック大学の調査(23年7月19日発表)によれば、ウクライナ支援に関して米国民の34%が「やり過ぎる」、19%が「少な過ぎる」、40%が「丁度よい」と回答した。同年6月14日に発表した同調査と比較すると、「やり過ぎる」は3ポイント増加し、「少な過ぎる」は逆に3ポイント減少した。「丁度よい」は1ポイント下がった。

 ただし、ロシアのウクライナ侵攻から4日後に発表した同調査(22年2月28日)では、「やり過ぎる」は6%、「少な過ぎる」は46%であったので、今回の調査と比べると「やり過ぎる」は28ポイント増、「少な過ぎる」は27ポイント減になった。一方、「丁度よい」は38%だったので、侵攻から約1年5カ月が経過しても、わずか2ポイント増であった。

 米国内ではウクライナ支援は「やり過ぎる」という意識が高まっているので、共和党大統領候補は「ウクライナ支援停止ないし削減」に焦点を当てた選挙戦略をとると予想される。

 イプソスの全国世論調査(23年7月11~17日実施)では、全体で61 %が24年米大統領選挙において、ウクライナ支援継続の候補を「支持する」と回答したのに対して、「支持しない」は39%であった。「支持」が「支持しない」を22ポイントも上回った。

 ところが、共和党支持者をみると、48%がウクライナ支援継続の候補を「支持する」、52%が「支持しない」と答え、「支持」が「不支持」を4ポイント下回った。「ウクライナ軍事支援停止ないし削減」は、共和党支持者に対してアピールできることは間違いない。

 今後、ウクライナとロシアの戦争が長期化し、停戦交渉が開催されない場合、トランプ前大統領がウクライナ支援と税金を絡めた議論を強化してくる可能性は否定できない。仮にそうなれば、同前大統領は戦争の長期化をバイデン大統領の最大の弱点と捉え、「ウクライナ支援停止ないし削減」と税金を主要な争点にして、有権者から強い反応を引き起こすだろう。

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