2023年7月27日付の中央日報社説が、先般のロシアのショイグ国防相の訪朝に関連して、露朝間に危険な武器・技術取引が行われる可能性があると述べている。
朝鮮戦争休戦70周年に際し、中国とロシアは2020年の新型コロナウイルス流行後、初めて大規模な代表団を平壌に派遣した。北朝鮮は、7月27日を祖国解放戦争勝利記念日とし、その日には平壌で大規模な軍事パレードが行われた。
中国は、全国人民代表大会常務委員会副委員長の李鴻忠を団長とする共産党・政府の代表団を派遣した。7月25日、金正恩は、中国兵士の墓地を訪れ、米国の爆撃により死亡した毛沢東の息子である毛岸英の墓に献花した。これには、中朝の血盟関係を強調したい金正恩の意図があったのであろう。
今回特に注目されたのは、ロシアの動きだった。ショイグは、ウクライナ戦争が続く中でも、3日間にわたって代表団の団長として平壌に滞在した。7月26日の北朝鮮の強純男(カン・スンナム)国防相との会談で、ショイグは北朝鮮を「ロシアにとって重要なパートナー」と賞賛した。これに対して、強純男は「帝国主義者の専横に対抗して戦うロシアの軍隊と人民に対する全面的支持」を表したという。
こうした動きにより、露朝間で兵器の取引が行われている疑念が浮上している。ロシアは戦争が続く中で兵士や武器が不足しており、北朝鮮から従来の弾薬やドローンを受け取り、その代わりに核弾頭の小型化、大気圏再突入技術、宇宙打ち上げ車両などの高度な兵器技術を提供することが考えられる。
実際金正恩は、ショイグと共に武装装備展示会を訪れた。金正恩は、米国のドローンである「グローバルホーク」や「リーパー」などのドローンを模倣したような北朝鮮製兵器をショイグに見せた。ロシアは無人ドローンの在庫が不足しているといわれている。
北朝鮮、中国、ロシアが平壌で集まり、正義と平和を主張することは奇妙なことだ。朝鮮戦争はスターリンが金日成の南への奇襲攻撃を承認したことから始まり、中国の介入後には何百万人もの命が失われた。それにも拘わらず、中国はこれを正義の戦争と呼び、ロシアは背後から北朝鮮を支援し続けている。そのような行動は国際社会から同情を得ることはできないことを認識すべきだ。
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