2024年6月20日(木)

Wedge2023年9月号特集(きしむ日本の建設業)

2023年8月24日

現場の仕事を〝面白く〟

(lamontak590623/gettyimages)

 現場の仕事が嫌で辞める若者が多いといった声がある。ただ、私は、単に現場の仕事が〝嫌だから〟というより、〝面白くないから〟辞めるというケースが多いのではないかと感じている。

「これをやれ」という一方通行の指示ではなく、どうやったら若者がやりがいをもって仕事ができるようになるのか、それは上の立場にいる人間が考えなければならない当然の責務である。

 また、三次、四次といった多重下請け構造も、今の時代、果たして適切なのか、今後も持続可能なのかといったことも考えるべきだ。元請けも技術の多能工化を進めていかなければならない。

 発注者にも問題がある。現場で起こる事故やトラブルの中には、設計したコンサルタントや発注者が現場の状況や工事内容を理解していない場合がある。

 にもかかわらず、「次の発注に影響が出るから」と、ゼネコン側が謝罪するケースもあり、本末転倒だ。

 最後にもう一つ。建設業の仕事は「つくったら終わり」であることが多い。だが、コピー機やエレベーター、エスカレーターの会社はメンテナンスに力点を置き、利益をあげている。建設業も今後は、つくったあとのメンテナンスとオペレーションをセットで行うような経営も考えていくべきである。

 建設業の2024年問題を考えるにあたっては、こうした業界全体の本質的な課題について、同時並行で議論し、改革していく必要がある。残業規制だけで解決できる問題ではない。

   
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Wedge 2023年9月号より
きしむ日本の建設業 これでは国土が守れない
きしむ日本の建設業 これでは国土が守れない

道路や橋、高層ビルに新築戸建て……。誰もが日々、当たり前のように使うインフラや建築物にも、それらをつくり、支える人たちがいる。世は「働き方改革」全盛の時代─。その大波は建設業界にも押し寄せる。だが、目先の労働時間削減だけでなく、直視すべきは深刻な人手不足や高齢化、上がらぬ賃金などの課題だろう。インフラや建築物は、まさに日本の「機能」であり「国土」そのものでもある。“これまでの”当たり前を、“これからも”続けていけるのか─。その分水嶺にある今、どのようにして国土を守っていくべきか、立ち止まって考えたい。


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