現在の大国の指導者たちが、世界戦争になりかねないような行動は慎む責任があることを認識していれば、安心すべきである。指導者の任務は、国際システムをしっかり維持することであり、そして我々の任務はその枠内で人類の威信と繁栄を推し進めることである。しかしそれは、大国が良い行動を取らない限り実現されない、と述べています。
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『大国の興亡』の著者が、歴史的展望の中で、現在の大国の指導者は国際関係の現状維持に多大の関心を有していて、第一次世界大戦時の大国の指導者のようなトラブルメーカーではないと述べています。確かに第一次世界大戦時に比べれば、世界的戦争の危険は少ないと思います。一つには時代の違いがあり、帝国主義の時代と現在で、大国の行動が異なるのは当然です。
現在の大国は国際関係の現状維持に多大の関心を有していると言いますが、直ちに念頭に浮かぶのは中国です。果たして中国も現状維持勢力と言えるのかの問題があります。確かに経済面では、中国は既存の世界経済システムの一員として行動していますが、政治的、軍事的には、現状に満足せず、挑戦者として行動する傾向があります。ただそれが世界的戦争の危機につながるかは別問題で、中国は米国との対決は避けつつ、米国に挑戦しています。
日本から見れば、たとえ中国が世界的な戦争は起こさないにしても、尖閣諸島問題をはじめ、東シナ海、南シナ海での領有権を主張し、これらを中国の海にしようとの中国の戦略は、東アジアの現状の変更を目的とするもので、到底許容できないものです。
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