聴衆を「楽しませた」スピーチ
これらは全て、演説者の自信及び歓迎の意を聴衆に伝えるのに貢献した要素だったと思う。
古代ローマの政治家は元老院や大衆の前で演説をすることが多かったが、演説者は聴衆者を楽しませることが期待されており、聴衆が時間をかけて聴くだけの値打ちがあることを証明する必要があった。現代に生きる私はこのIOC総会での東京招致委員会代表の全てのスピーチを楽しく聴き、魅了された。すべての登壇者が最高のレトリックとスタイルで聴衆をうならせたのだと思う。彼らが演説準備に割かれた努力とコミットメントを称え感謝を申し上げたい。
後世の人々がこの日のことを思い起こすとき、これらの演説が、東京が2020年のオリンピック・パラリンピック開催資格を勝ち取ることに貢献したのみならず、何千年も昔の賢人たちによって用いられた技巧・芸術の伝統を引き継ぐものであったこと思い出してほしいと願う。
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