2024年11月22日(金)

中国メディアは何を報じているか

2013年10月8日

 同集団軍は全国には18の機動部隊(集団軍)が存在するが、それが地理的区分で7つに分けられた7大軍区の一つである蘭州軍区傘下の二つの集団軍のうちの一つである(もうひとつは第21集団軍)。

 またこの部隊は、かつて国防相をつとめた彭徳懷将軍や、最近では郭伯雄前中央軍事委員会副主席、現役では常万全国防相、この6月末に将軍のなかで最高位の上将に昇格したばかりの徐粉林将軍(広州軍区司令員)などがトップを歴任したエリート機動部隊だ。

 「複雑な電磁環境下」とか「情報化の条件の下」といった文字が踊る近年の軍の動向をみる上で、言葉通りの近代化が必ずしも成し遂げられているわけではない実態をはからずしもこの報道は示したわけだ。

 近代化を急ぐ解放軍であるが、問題は多く課題は山積している。教育面での向上が図られ、高学歴の軍人が急増していて人材育成に力が入れられていることは窺える。こうした面でしっかり教育が行われているのか、こうした人材が兵器装備の近代化にマッチしているのかも注目に値する。

 もし軍におけるもっとも重要なファクターである人的側面、つまり人材育成にさえも形式主義が蔓延しているなら問題は単にお手盛り演習だけではない。ここで問われるべきは演習計画を作成する士官や、形式主義を許容する指揮官たちの問題でもあるからだ。むしろ反躬自省(はんきゅうじせい)すべきはそうした雰囲気を作った高級指揮官たちかもしれない。

[特集]中国軍事力の実像と虚像


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