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Wedge REPORT

2013年10月17日

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黒木登志夫 (くろき・としお)

前岐阜大学長、東京大学名誉教授

1936年生まれ。東北大学医学部卒。東京大学医科学研究所教授などを経て、2001年6月より岐阜大学長。08年から日本学術振興会学術システム研究センター副所長、12年より同相談役。東京大学名誉教授、岐阜大学名誉教授。著者に『落下傘学長奮闘記』『知的文章とプレゼンテーション』(いずれも中央公論新社)など。

●教授会についての3つの提言

(1)教授会は、教育と研究の現場における組織である。その2つに限る提言は尊重されるべきである
(2)学長が学部長を選ぶ。学部長は、大学の方針を理解し、改革に意欲のある人でなければならない
(3)大学の一構成組織である部局(=教授会)に「自治」はない。大事なのは、大学の自治である

世界ランキング下げる国際化の遅れ

 教育再生実行会議の提言の中で、最も多くのページを使い、さまざま提言をしているのは、グローバル化である。わが国の大学はガラパゴス化している。外国人教員(International faculty)は、東大でさえ、5.4%に過ぎない。一方、ハーバード大をはじめ、アメリカのトップレベルの大学では、30%かそれ以上を外国人教員が占めている。

 世界の大学ランキングのトップ100に、日本からは東大と京大しか入っていない。研究面では世界と互角に渡り合うトップレベルの大学であるのに、何故そんなに低いのか。その理由の1つは、国際化の遅れである。そもそも、大学ランキングは、世界の学生が留学先を選ぶときの参考資料として作られている。国際化の遅れている大学は、研究面の業績が高くても、ランキングでは低くなる仕組みなのである。

 私は、現在、文科省の「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」のプログラム・ディレクターをしている。

 このプログラムは、国際的に開かれた世界トップの研究所を作ろうという野心的な試みである。WPIでは、主任研究者の20%以上、全研究者の30%以上を外国人にすることを求めているが、この条件はすでにクリアーし、45%が外国人研究者である。公用語を英語とし、外国人のための生活環境を整えることなどの対応が必要であった。やればできるのだ。WPI拠点は、大学内のいわば「特区」であり、その努力が大学全体に広がることを期待している。

●国際化についての3つの提言

(1)21世紀となった今、国際化なしに大学の発展はない。各大学は数値目標を立てて、外国人教員を増やす
(2)国際化を進めるためには、あらゆる面での対応が必要である。特に、事務局の英語能力が遅れている
(3)日本人学生の英語力、国際感覚を高めなければならない。TOEFLなどを指標に、英語教育を強化する。学生のうちに外国への短期留学を推奨する

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