ロシアが民主国家にならなくても
私見ではロシアは民主主義を実行する必要はない。別に制度的に欧米型の民主制度である必要はない。ただ、新生ロシアが好戦的、侵略的でなければ問題ない。この一点が重要な点だ。
ここが確保されていれば、日本や米欧社会との友好協力は俄然前に進む。西側はその辺りまでを見通した上で、賢明な戦略を立ててロシア指導層、市民、市民社会、各レベルの指導層と綿密な対話と協力を進めるべきだ。
特に重要な要素はロシア青年層との対話だ。 彼らに欧米や日本での高等教育学術機関での留学の機会を提供することは永続的な関係を開き、大きなポテンシャルを生むはずだ。
もう一つ重要な点がある。それは世界最大面積を有するロシアという国が国家として地理的にも一体性を確保できるかどうかという問題である。
万一ロシアがバラバラになれば深刻な事態になる。外部勢力が利益を手にする。この点は既にロシア人自身が先刻危惧しているところだ。
新しいダイナミズムが生まれるかもしれない
欧州からユーラシア大陸にかけて民主主義的な帯が生まれるとアジア太平洋にも影響が生まれるかもしれない。この帯はもとより好戦的な帯ではない。もちろん、拡張主義的でもない。
新生ロシアは当然中国と友好的な関係を模索するだろう。トランプ氏の再登場は、新しい国際秩序を生むに違いない、トランプ氏の偏狭に挑戦して全く新しいダイナミズムが生まれることを期待したい。国際社会が一人の男性に振り回されていいはずは無いのだから。