2024年1月24日付の英フィナンシャル・タイムズ紙で、同紙トルコ特派員Adam Samson等が、「トルコ議会はスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を支持すると表決。決定は西側軍事同盟に参加するスウェーデンの試みでの意義深い一歩を印す」との解説記事を書いている。
トルコ議会は、スウェーデンがNATOに加盟することに賛成した。スウェーデンの西側軍事同盟参加への長期の試みでの意義深い一歩である。1月23日の表決は、エルドアンがロシアのウクライナ侵攻の後、非同盟政策をやめたスウェーデンのNATO加盟に賛成する道を開いた。スウェーデンのクリスターソン首相は、それを歓迎した。
北欧とバルト諸国は、この批准が地域の安全保障の強化になると歓迎している。リトアニアのナウセーダ大統領は「スウェーデンのNATO加盟は、より安全なバルト海とより強化された同盟への重要な一歩である」と述べた。
ストルテンベルグNATO事務総長は、「この表決を歓迎し、ハンガリーが可及的速やかに批准を完了することを期待する」と述べた。
エルドアンは昨年7月に加盟に賛成すると誓約したが、プロセスが遅れ、トルコと西側同盟国との溝を広げた。ハンガリーはスウェーデンの加盟の批准について、大体トルコと同じ対応をすると期待されている。
1952年以来NATO加盟国であるトルコは西側のパートナーが忌避するロシアと強い結びつきを持ってきた。例えばウクライナ戦争開始後、トルコはロシアとの貿易額を増やし、かつ西側の制裁に参加していない。
トルコの議会はエルドアンの政治的連立が支配しており、23日の表決はエルドアンの賛同なしに行われたとは考えられない。ただエルドアンはまだ批准議定書に署名しなければならない。
トルコの大統領は米国がスウェーデンの試みへの賛成の見返りとして何10億ドルのF-16戦闘機を買いたいとの要請に応ずることを期待していると述べた。バイデン政権はこの武器取引を支持しているが、米上院の有力議員がトルコのギリシャとの関係の問題で懸念を表明している。
また、トルコは、クルド武装組織の取り締り強化をスウェーデンに要求している。昨年施行された反テロ法を含むスウェーデンの措置がトルコの懸念を鎮めたとされる。
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