2024年4月19日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年3月4日

 2024年2月7日付Foreign Policy誌で、欧州外交問題評議会シニア・フェローのアガサ-デマレが、トランプは中国製品に高関税をかけると言っているが、中国にとってはトランプが大統領となる方が利益になると指摘している。

トランプ大統領の再選は、中国の習近平国家主席にとって追い風なのか(2019年6月、ロイター/アフロ)

 トランプが米中貿易戦争をエスカレートさせることを約束していることに鑑みれば、中国は、バイデンが再選されることを望んでいるように考えがちだが、おそらく中国はトランプを応援していると思われる。それには五つの理由がある。

 第一に、トランプが大統領となれば、米国と欧州との不和が拡大される。中国からすれば、輸出管理等で欧米が連携して中国に害をなす政策をとることを防ぐことができる。トランプは最近、中国からの輸入に60%の関税をかけると公約したことは中国にとっては痛みを伴うが、大きな視野から見れば、欧米が経済紛争を始めて争うことの方が重要である。

 第二に、トランプはロシアに対する制裁を解除するかもしれない。トランプは、ロシアのプーチン大統領と仲良くしようとする。中露の制限のない友好関係のみならず、中国企業がロシアとの取引に慎重になっている今日、トランプが制裁解除すれば、ロシアのみならず中国にとっても利益になる。

 第三に、トランプ政権となれば、国際金融システムにおいて、中国の元を米国のドルに取って代わらせるという中国の野望を助けることになろう。

 第四に、トランプ政権となれば、新興国からの重要物資の調達における中国の支配を増大させる。トランプは、資源国の途上国を軽蔑し、こうした国とうまく連携できず、現在も重要物資の調達で有利な立場にある中国が地歩を固めることになる。


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