最大心拍数の60~70%の運動を
最低でも週1回、1時間ずつ続けよう
さらに別の実験では、もっと効果的に脳を鍛える運動方法がわかってきました。適度な運動を最大心拍数(その人にとっていちばん早い心拍数)の60~70%くらいの速さ(表1)で週1回、1時間ほど走る運動を半年間続けた結果、脳が大きくなり、最大酸素消費量が16%増加したのです。最大酸素量が増加した脳では、46野と40野がよく働くようになったという報告もあります。
表1 適度な運動の目安となる目標心拍数
連載の第1回でお話したように、脳のハード部分が老化するいちばんの原因は最大酸素消費量が減ることです。それが、走ることで増やすことができたということは、走ることが脳の活性化にいかに有効かということを証明しています。
1時間のジョギングを週4回、半年続けると、前頭前野に加えて海馬の働きもよくなるという研究結果が発表されています。海馬には、新しく記憶するのを助ける働きがありますから、学習能力が高まります。
ただし週4回のジョギングは、仕事で忙しいビジネスマンにとっては高いハードルです。週1回でも結構ですから、ぜひ、ジョギングを始めてみてはいかがでしょう。もちろん、エクササイズは必ずしもジョギングである必要はありません。有酸素運動の水泳、体操、ヨガなど、最大酸素消費量を増やしながら楽しく続けられるエクササイズでも結構です。