脳科学の分野から現時点でいえるのは、「脳を鍛えるためには、脳トレよりもエクササイズによるトレーニングのほうが確実」ということです。
私自身は、現在76歳ですが、できるだけ毎日ジョギングを続けています。40代半ばごろBMIが31.2と、今でいうメタボ状態となり、ダイエットを目標に走り始めたのがきっかけでした。最初は足を交互に前に出し、50歩歩くのがやっとでしたがあきらめず、毎日少しずつ距離を延ばして3か月で6㎞走れるようになり、体重が5㎏減りました。その後もジョギングが日課となり、ダイエットに成功したあとも走り続けています。今もまだ現役で頑張っていられるのは、そのおかげが大きいと思っています。
第1回:「頭は使えばよくなる」は本当だった!
第2回:「脳力を効果的にアップする食べ方」があった!
第4回:「脳に良い習慣」で人生を活性化しよう!
illustration:秋田綾子
■COLUMN(1) 規則正しい生活は、脳の働きもよくする 体内時計(サーカディアンリズム)は、地球の自転の24時間より短い、23.5時間です。それを1日24時間周期に合わせて生活するには、積極的に規則正しい生活をして、体内時計を毎日調整する必要があります。そのためには、起床時間を一定にすることがいちばんのポイントです。冬になって日が短くなったからといって、起床時間を夏より遅くしては、体内時計を狂わせます。夏に6時に起きていたら、冬も同じ時間に起きるようにして、起床時間を起点に規則正しい生活をすること。そうすれば、体の調子とともに脳の働きもよくなります。
■COLUMN(2) アルツハイマー病も軽い運動で予防の可能性
脳研究では、「アルツハイマー病発症の危険性を運動によって改善した」という最新報告もあります。これは、アメリカ医師会が、08年9月に発表したもの。アルツハイマー病になる危険性のある高齢者に、週3回、50分ずつのエクササイズ(多くはウォーキング)を6か月続けてもらったところ、認知障害の改善が見られたということです。そのなかでも、最も改善が見られた人は、1日1万歩歩いていたということがわかりました。ただし、これはあくまでも予防の段階です。アルツハイマー病を発症した人の治療にも運動が役立つかどうかは、まだ研究している段階です
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