2024年6月15日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年4月26日

 94年の新生南ア誕生後ANCは一貫して単独で統治してきた。次は連立政権になるかもしれないと言われる(最近の世論調査でANCは50%を切る)。しかし、良い連立相手がいるのか。

 ズマは12月、新党「MK党」(9月結党)への参加を表明した。新党名は、60年代にマンデラが結成したANCの反アパルトヘイト闘争実力部隊の名前に因む(新党は必要によっては暴力に訴えると述べている)。

 ANCは、この新党の選挙参加登録取り消しを選挙裁判所に求めたが、3月26日裁判所はこれを却下した。この新党も波乱要因になるかもしれない。ズマ出身の雄州クワズルナタールでは強いだろう。

理解しがたい中露寄り外交

 外交においては、対米関係が軋んでいる。新興5カ国(BRICS)のメンバーである南アは、アパルトヘイト闘争時代を通じて、中露等から武器や訓練、財政等で緊密な支援を受けた。

 ウクライナ戦争に関し南アはロシア寄りの立場を取り、中国とも深い関係がある。ハマス・イスラエル紛争につき、南アはイスラエルをジェノサイド条約違反として国際司法裁判所(ICJ)に提訴、1月ICJは審議、暫定措置命令を出した。

 これらの行動が、米国の政府や議会等を苛立たせている。米議会はAGOA(アフリカ成長機会法)による南アへの特恵関税付与につき再検討の審議を行い、3月21日下院外交委は特恵継続につき大統領の見解を求める法案を超党派で承認した。

 3月28日、ラマポーザはワシントン・ポスト紙に寄稿、南アは非同盟主義に基づき外交をしている、「強力な両国関係が意見不一致により崩れてはならない」として、米側の理解を求めた。この寄稿は苦しい弁明に終わっている。南アの中露寄りの態度は、どう考えても理解し難い。

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