――最後に、読者に一言お願いします。
鬼頭氏:そうですね。皆さんには是非、年単位といった短期間での異常気象と、長い期間での温暖化の変化について、きちんと分けて考えていただきたいですね。そして、温暖化が起こることによって異常気象のピークが変わってくる(温暖化が進めば、異常気象の規模や頻度が高まる可能性がある)ということも理解していただきたいと思います。
2013年9月末にIPCC第1作業部会の「自然科学的根拠」を基づく第5次評価報告書の承認・公表がされました。これに続いて、2014年3月には第2作業部会から「影響・適応・脆弱性」について、4月には第3作業部会から「緩和策」について承認・公表予定です。
皆さんには引き続き興味をつないでいただき、それぞれの報告書の内容を参考に、気候・気象と上手く付き合っていただきたいと思います。
鬼頭昭雄 (きとうあきお)
筑波大学生命環境系主幹研究員。1953年大阪市生まれ。京都大学大学院理学研究科地球物理学専攻、理学博士。専門は、気候モデリング、モンスーン、気候変動。1978年気象庁入庁後、2007年気象庁気象研究所気候研究部部長を経て、2013年5月より現職。また2011年より日本学術会議連携会員。
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第1作業部会評価報告書の執筆者を4度務める。第2次(1995):「気候モデル:評価」、第3次(2001):「モデル評価」、第4次(2007):「全球気候予測」、第5次(2013):「気候の現象およびその将来の地域規模気候変動との関連性」を執筆。
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