2024年6月16日(日)

医療神話の終焉―メンタルクリニックの現場から

2024年5月14日

診断書による意見申述1
「働き方改革関連法」への言及

 「職場のうつ」については、その本質は狭義の精神医学的問題ではない。むしろ、使用者の安全配慮の問題である。

 医師としては、当該労働者のこころの健康問題が使用者の責任の埒内と思われれば、その旨を使用者側に注意喚起すればよい。発生の現場は職場にあるのだから、責任者にその原因を除去させればいいのである。

 なお、免責事項を記しておく。下記診断書文例は、あくまでサンプルであり、実在する個人に直ちに適用できるものではない。医師らが当資料を利用する際は、利用者の責任で当該患者に合わせた変更をお願いする。この記事の筆者は、利用者が当資料の情報を用いて行う一切の行為について、何らの責任も負うものではないので、御了承いただきたい。

 この診断書の例では、現状でもすでに働き方改革関連法・労働基準法違反である。この点を使用者に注意喚起すれば、穏やかな表現であっても、診断書の持つ効力は抜群であり、会社側は動いてくれる。

 会社側の動きが遅い場合、診断書第2段を出す。その場合、付記欄に「時間外労働が月45時間を超えると心臓・脳血管障害等発症のリスクが高まるとされております」と記すのもいい。

 この記述を無視して使用者が過重労働を継続させ、それで実際に心・脳疾患が発症した場合、労働災害が認められうる。あるいは、「すでに時間外労働が月45時間を超えており、事業主には罰則が発生しますが、本人は事態の解決を労働基準監督署に委ねる意思はなく、社内での穏便な解決をこそ希望しております」と追記するのもいいであろう。

 要は、最初の診断書で会社が動かなければ、二の矢三の矢を打つ。その場合、付記欄の記述を徐々に強めていくのである。

診断書による意見申述2
『パワーハラスメント対策マニュアル』への参照

 このケースのように、本人の経歴に不均衡な業務を課せられている場合がある。一流大学出身で、長く本人にふさわしい知的な業務が与えられていたのに、ある日を境に単純作業ばかりを指示されるなどである。


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