会社内の不正に目を光らせる「監査役」
取締役の暴走を止めるために、どのような仕組みがあるのでしょうか。その1つとして、監査役の存在があります。監査役とは、株主総会で選任され、取締役の職務執行を監査する役職です。株主から会社の経営を行っている取締役のチェックをすることを委託された者で、極めて重要なポジションです。
[会社法381条2項]
監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
取締役会が置かれる会社においては、監査役も、必ず置かなければなりません。なお、とくに不正な会計がないかをチェックするために、会計監査人がいます。
『監査役 野崎修平』*5という経済漫画があります。織田裕二が主演でドラマ化もされました。正義感と人情味ある人柄をもつ野崎は、あおぞら銀行の支店長でしたが、監査役に就任します。その後、銀行内での不正を目の当たりにしますが、冷静な判断力で、不正の蔓延に歯止めをかけようとします。
実際には、ここまで会社にズバズバ切り込んでいく監査役は少ないかもしれませんが、経営のチェック機能としての監査役の法的役割が分かる作品だと思います。
*5 監査役に就任した主人公が、金融業界の不正に切り込む。(周良貨(原作)能田茂(漫画)、集英社)