2024年7月5日(金)

BBC News

2024年7月3日

インド北部のウッタルプラデシュ州で2日、ヒンドゥー教の宗教行事で大人数が関わる転倒があり、日本時間3日夕までに少なくとも121人が死亡した。警察が発表した。

転倒は、同州ハトラス地区のムガルガリ村で発生した。犠牲者には多くの女性や複数の子供が含まれており、身元の特定作業が続いている。

生存者によると、行事が終わって参加者が施設を出る際に、転倒が起きたという。

転倒が発生した理由はまだ明らかになっていない。目撃者は、出口があまりにも狭かったことや、激しい砂嵐が混乱とパニックを呼んだことなどが、大勢が倒れる原因になったと話している。

匿名で取材に応じた目撃者はBBCに対し、「全ては順調」だったものの、「急に叫び声が聞こえて、次の瞬間には大勢が互いの上に倒れていた」と語った。

「たくさんの人が折り重なって、何もできなかった。生き延びられて、自分はひたすら運が良かった」

現地のプレス・トラスト・オブ・インディアの取材を受けたシャクンタラさんは、「演説が終わった後、みんなが出口に駆けこんだ」と話した。

「人々が道路の側溝に落ちて行った。その上にまた人が倒れ、押しつぶされて亡くなった」

近隣のエタ地区の医療責任者ウメシュ・クマル・トリパティ氏は、この「群衆雪崩」により、少なくとも3人の子供が亡くなったと話した。

ウッタルプラデシュ州警察の報道官はBBCに、「最終的な犠牲者数が発表されるには数時間かかる」と語った。

インターネット上では、現場の悲惨な状況を映した動画などが拡散された。ピックアップトラックやトゥクトゥク(三輪自動車)、バイクなどで、負傷者が病院に運ばれる姿も映っていた。

BBCが確認した映像では、地元の病院の玄関に何人かの遺体が置かれ、親族が助けを求めて叫んでいる姿があった。

別の映像では犠牲者の家族が、「こんな大きな事故が起こっているのに、当局の高官は誰もここにいない。当局はどこにいるんだ?」と話していた。

クマル氏は、現場となった施設は混雑していたと語り、原因調査のための高官レベルの委員会が結成されたと付け加えた。

「当局は、けが人と、犠牲者の家族に可能な限りの支援を提供することを最優先にしている」と、クマル氏は述べた。

エタ地区当局のサチャ・プラカシュ氏は、「検視作業が進められており、捜査中だ」と述べた。

インドでは宗教行事でのこうした事故が絶えない。大人数が狭い場所に集まり、安全対策がほとんど守られていないという。

2018年には、ヒンドゥー教の祭日「ダシェラ」を祝っていた群衆に列車が突っ込み、約60人が亡くなった。

2013年にも中部マディヤプラデシュ州での宗教行事で群衆事故があり、115人が亡くなった。

(英語記事 More than 100 killed in crush at India religious event

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/czd9gv9e3lyo


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