2024年7月23日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年7月4日

 フィナンシャル・タイムズ紙コラムニストのラナ・フォルーハーが6月10日付け論説‘Charting trade chokepoints: a how-to guide’で、米商務省が最近、供給網の分析ツールを立ち上げた結果、フレンド・シェアリングにつき、より具体的な議論ができそうだと説明している。要旨は次の通り。

(cybrain/gettyimages)

 2022年に「フレンド・ショアリング」が提起されて以来、多くの議論がされてきたが、米国は、友好国と自分自身の産業セクターの全体像を把握していないため、具体的検討は進まなかった。

 状況は変わり始めている。昨年商務省は民間と共働して供給網の実態を把握するため供給網センターを立ち上げ、供給網のどこにリスクと機会があるかを明らかにするため、米国と同盟国の貿易や関税データを解析する供給網明確化の「道具」を試している。各国の半導体、希少金属、電子機器などで供給網がどれだけ健全かを確認するためだ。

 戦争や災害の際、どれだけ早く同盟国からのインプットが代替できるか。われわれは中露等の単一国の供給にどれ程頼っているか。

 担当のハリス商務長官補は言う。われわれには、欧州同盟国やインド太平洋経済枠組み(IPEF)参加国と供給網の議論をする際に依拠する共通の状況認識と事実が必要だ。議論がしばしば一般論で止まっていたのはデータが無かったからだ。10年以上この問題に関わってきた者から見ても、これは世界的隘路を見出す米国政府の最も詳細な努力だ。中国以外は米国を上回る活動はしていない。

 商務省の道具を使えば、例えば、IPEF加盟国は希少電子機器について33%の市場シェアを持っているが、実際は、その大半は供給のほとんどを中国という単一国が担っていることが直に示される。ただ、一部データの改定は遅いのでリアルタイム分析には限界がある。

 専門家は最重要分野でさえ全体像を描くのは無理だと言う。なぜならビジネス関係者は、部品構成表のような機密情報提出を(今のところ)義務付けられていないからだ。


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