2024年7月18日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年7月11日

 ワシントン・ポスト紙の6月18日付社説‘A critical Arab ally is losing its democracy. Yet Biden has remained silent.’は、クウェートの首長反対派が多数を占める国会を解散し、憲法の一部を停止して4年間選挙が行われないようにしたことから、クウェートの民主主義が脅かされているとし、それに対して無関心なバイデン政権を批判している。要旨は次の通り。

(oliver de la haye/gettyimages)

 クウェートは、真に民主的とまでは言えないが、それほど抑圧的な体制ではなかった。クウェートでは世襲の首長が最終的な権力を握っているが、選挙で選ばれた50人の議員からなる国民会議がある。

 サウジアラビア等の隣国に比べて政治問題についての議論や市民的自由が許されている。そして、1991年に米国がクウェートをイラクの占領から解放して以来、クウェートは米国の重要な同盟国だ。

 しかし、最近の出来事は、クウェートの政治体制に対して疑問を投げかけている。ミシャール・アハメッド・クウェート首長は、2月に議会を解散し、選挙を行ったが、再度、反対勢力が過半数を占めたために、わずか5週間後の5月10日に再度、議会を解散し、そして、議会解散後2カ月以内に選挙を行わなければならないという憲法の条項を停止した。

 こうしてクウェートは、これから4年間議会選挙が無くなり、首長が勅令で統治することになる。理解出来ないのはバイデン政権の姿勢だ。これまでのところ、非難はおろか憂慮を示すような公式の発言すらない。

 首長はテレビ演説で、国家を破壊するために利用される民主主義は認めないと繰り返し、これからの数年間の議会の停止期間に民主的なプロセスが検討され、改善案が提案され、その上で適切と思われる決定が行われると説明した。このような首長の発言は、アラブ世界その他において「独裁者」が選挙結果を無効にする時の主張に似ているので憂慮される。


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