七夕都知事選は小池百合子知事が3選を果たして終わった。結末は予想通りだが、意外な展開もみられた。蓮舫氏が失速、知名度のなかった新人、石丸伸二氏が大健闘して2位に躍進したことだった。
小池、蓮舫氏ら既成政治家、政党に嫌気がさした有権者の票が石丸氏に流れたとすれば、独自候補を断念して現職にすり寄り、都民の選択の幅を狭めてしまった政権与党、自民党こそ責められるべきだ。
〝抱きつき〟で勝利の実績目指す
今回の都知事選、自民党の諸士はどう見ていたのだろうか。官邸のおひざ元での選挙戦にもかかわらず、自らの応援演説の出番もなかった岸田首相は、忸怩たる思いで論戦を眺めていたことだろう。
今回の都知事選で自民党は、当初から候補者擁立に消極的だった。
裏金問題で批判を浴び、4月の衆院補選で全3敗しただけに、こんども独自候補が苦杯をなめる事態となれば、いよいよもって窮地に追い込まれる。だからといって、政権党として、首都での不戦敗は許されない。
やむなく、人気の高い現職候補、小池百合子知事を抱きつき支持、結果的に〝勝った〟という印象を与えようと目論んだ。
しかし、小池氏の得票減、新人台頭という結果は、姑息、有権者に失礼ともいえる手法をやはり見透かされてしまったためだろう。