山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2014年1月6日

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 その後、復興需要がいくら膨れ上がっても、中国からのレアアースの輸出禁止で原料が入ってこないのでは話にならなかった。ところが、この不測の事態も中小企業にとって「ピンチはチャンス」であるといえる。中国との間で設立していた合弁企業が役に立った。過去5年間もお荷物になっていた合弁企業の国営のパートナーが、優先して輸出ライセンスを取得したので、輸出禁止が解かれた後にいち早く原料の手当てが実現したのだ。

 中小企業の持ち前の機動力やキメの細かいCS(顧客満足)が実行されたのは言をまたない。企業を動物に例えると大企業はライオンや象のような大動物であり、中小企業はネズミのような小動物にも似ている。小動物は成長が早く繁殖力も旺盛だが、寿命は短いのが一般的だ。大動物は多くの子供を産めないが寿命は長く、自然界に君臨している。不景気が長引いても耐久力のある大企業は簡単に倒産することはないが、中小企業は資金繰りが続かず、ちょっとした事故で経営不振に陥ってしまう。

 この10年で電子材料や機能性材料に利用されるレアメタルやレアアースの認知度が飛躍的に高まった。厳しい環境の中で復興需要も手伝い、需要はその後も回復していった。その結果、AMJは8年目にはなんと設立時の18倍の売上規模の720億円にまで成長したのである。当社の過去を振り返ってみるとまさに「禍福は糾(あざな)える縄の如し」を地で行っている10年であった。中小企業の生き残りの秘訣とは意思決定のスピードとロマンの追求である。

◆WEDGE2014年1月号より










 

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