2024年8月1日(木)

BBC News

2024年8月1日

BBCの元有名キャスターで、未成年のわいせつ画像を作成した3件の罪で起訴されたヒュー・エドワーズ被告(62)が7月31日、ロンドンの裁判所に出廷し、有罪を認めた。

エドワーズ被告はウェストミンスター治安裁判所で、子どものわいせつ画像41枚を所持していたことを認めた。画像は2020年12月から2021年8月までに、別の男性からメッセージアプリのワッツアップで送信されていた。

それらのうち7枚は、最も深刻なカテゴリー「Aに」分類されるものだった。その中の2枚には7~9歳ほどの子どもが写っていた。

警察はその後、エドワーズ被告に画像を送った男性について、小児性加害者として有罪判決を受けたことがあると明らかにした。

エドワーズ被告は昨年まで、BBC Oneチャンネルの夜の「10時のニュース」のメイン司会者の一人だった。故エリザベス女王の訃報など、国家の重大事の報道を担当することも多かった。

BBCはこの日、声明を発表。「衝撃を受けている」とし、被告が今年4月の退職前に訴追されていれば、解雇していたとした。

また、「こうしたおぞましい行為は許されるものではなく、私たちの思いは被害を受けたすべての人々と共にある」とした。

さらに、昨年11月に、エドワーズ被告が「深刻な犯罪の疑いで逮捕され、保釈されたことを内々に知らされていた」と説明した。

被告はその時点で、すでに別の疑惑で停職となっていた。しかし、今年4月に「医師の助言」で退職するまで、給与の全額を受け取り続けていた。

エドワーズ被告は6月に起訴された。裁判で禁錮の実刑判決を受ける可能性がある。次回の出廷は9月16日。

BBCニュースは、7月29日にロンドン警視庁が発表するまで、エドワーズ被告の逮捕も起訴も知らなかった。BBCニュースは、BBCに関する報道では、編集上独立している。

エドワーズ被告はこの日、カメラマンらが待ち受けるなか、警官に挟まれるようにして裁判所に入った。

法廷の外でも中でも無表情を通した。審理の時間は30分足らずだった。

罪状が読み上げられ、認否を問われると、被告は静かに落ち着いた様子で「有罪」と3回答えた。

この日の法廷では、被告が2020年12月から成人男性と一緒に、ワッツアップのオンラインチャットに参加するようになったことが明らかにされた。この男性は被告に性的な画像377枚を送り、うち41枚は子どものわいせつ画像だったことも説明された。

イギリスの法律では、「画像(Images)」は動画と静止画の両方を含む。検察当局によると、今回のカテゴリー「A」の画像のほとんどには、13~15歳の子どもが写っているとみられるという。

カテゴリー「A」の画像は、挿入が絡む性行為など、深刻な虐待が写っているものを指す。

被告は、挿入が絡まない性行為などを写したカテゴリー「B」の画像12枚や、その他のわいせつ行為を写したカテゴリー「C」の画像22枚も所持していたとされた。それらカテゴリー「B」と「C」の画像には、12~15歳の子どもが写っていたという。

審理終了後、警察は捜査の経緯について説明した。それによると、別件の捜査でエドワーズ被告の携帯電話を押収し、ワッツアップの会話への参加が判明したことから、被告に対する捜査を開始したという。

警察はまた、子どものわいせつ画像を被告と共有した人物について、「アレックス・ウィリアムズ」という名前の25歳の人物だと明らかにした。この人物は今年3月15日にウェールズの裁判所で、小児性加害の罪で禁錮1年の執行猶予判決を受けたという。

これまでの裁判でエドワーズ被告のフィリップ・エヴァンス弁護士は、「この事件において、エドワーズ氏が何らかの画像を、伝統的な意味において『作成した』とは示されていない」と主張。

また、被告が「いかなる画像も保管せず、誰にも送らず、同様の画像を他の誰にも求めたことはない」とした。

さらに、被告について、「精神的にも肉体的にも」健康問題を抱えていたと説明。被告が「単によい性格ではなく、並外れてよい性格の持ち主だった」と述べた。

エドワーズ被告は昨年7月、性的に露骨な画像を得るために若者に金を払ったと英紙サンで報じられ注目が高まった。以来、被告はテレビに出演していない。

ロンドン警視庁は、この疑惑に関しては証拠が見つからなかったとし、今回の件とは別だとした。

エドワーズ被告は昨年7月にBBCから停職処分を受け、幹部らが内部調査を始めた。その結果はまだ明らかにされていない。

被告は2023年4月から退職した2024年4月までの間に、47万5000ポンド(約9140万円)~47万9999ポンドの給与を受け取っていた。前年からは4万ポンド昇給していた。

画像の「作成」とは

エドワーズは被告は今回、子どものわいせつ画像の作成について3件の罪を認めた。

イギリスの法律におけるわいせつ画像の「作成」は定義が広く、単に画像や動画の撮影することにとどまらない。

検察当局によると、画像を含む電子メールの添付ファイルを開く、ウェブサイトから画像を画面にダウンロードする、画像をコンピュータに保存する、画像が自動的に「ポップアップ」ウィンドウに表示されるポルノサイトにアクセスする、ソーシャルメディアを介して画像を受信する(頼んでいない場合やグループの一員としてした場合も含む)、子どもの画像をライブ配信する――などの行為も含まれる。

裁判所はまた、起訴内容がわいせつ画像の所持、頒布、製造のいずれに該当するかを判断しなければならない。

31日の審理後、検察当局は声明を発表。「未成年のわいせつ画像にアクセスすることは、子どもの性的搾取を永続させる。被害を受ける子どもには、深く、長く続くトラウマが残る」とした。

子どものための慈善団体NSPCCは「オンラインでの子どもの性的虐待犯罪は、被害者に壊滅的な影響を与えうる。エドワーズの犯罪の深刻さに疑いの余地はない」とした。

インターネット・ウオッチ・ファンデーション(IWF)は、「これは、被害者に現実的かつ永続的な影響を与える、最も極端な性的虐待のカテゴリーを描写した画像を含む犯罪資料だ」と述べた。

※この記事の内容に影響を受けた方に、BBCはイギリス内での相談先を紹介しています(英語)。

また、日本の内閣府が、性犯罪・性暴力相談の相談先をこちらで紹介しています。

(英語記事 Huw Edwards admits child abuse image chargesBBC knew Huw Edwards had been arrested in November

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cd1d8nv07y6o


新着記事

»もっと見る