2024年12月22日(日)

勝負の分かれ目

2024年10月8日

 このときに続投要請がなされず、指揮官は優勝を逃したという結果を受け止めたとの見方がもっぱらだが、在阪メディアの記事では、阪急サイドが推した岡田監督の2年契約が満了するタイミングは、阪神電鉄側が監督人事を自分たちで主導する立場を取り返すために逃してはいけない機会だったと強調されている。

チームは強化されるのか 

 次の監督就任が有力視される藤川球児氏は現役時代から人気も高く、将来の監督候補と言われてきた一人であることは間違いない。解説もわかりやすく、野球をよく知っていると高い評価を得る。コーチ経験がない点は不安要素に挙げられるが、世代交代という構図もわかりやすい。

 ただ、取材をしてきた記者には、監督交代がチーム強化という視点よりも、フロント側の都合が大きく影響していた点が見透かされている。田所記者はコラムの最後を「主導権奪回のため? 常勝タイガースを作るためではないの? 岡田監督交代劇になんだか寂しい思いがした」と締めくくり、岩崎記者は最終戦で取材に応じなかった岡田監督を「今季限りで電撃勇退を余儀なくされた格好の岡田監督は終始不機嫌モード」と表現した。

 スポーツニッポンの虎番キャップ、倉世古洋平記者も同様に舞台裏を解説した記事「阪神・岡田監督は『任期2年』大前提 阪急阪神HD角会長『次の監督は阪神で決める番』」の中で、「ファンからすれば、後ろ盾が阪神でも阪急でも関係ない。両者の主導権争いを生まないためにも、勝利が求められる」と思いを代弁した。

 今季限りでの退任が既成事実だったとしても、日本一の可能性が残っているクライマックスシリーズへ挑む前に表面化したことは、いかがなものか。さざ波が立つ中で、阪神は12日からのCSで甲子園にDeNAを迎える。

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