2026年にも販売を開始するヒューマノイド型ロボット
さらにマスク氏はより進化したヒューマノイド型ロボット、オプティマスも紹介。まるで人間の動きのような複雑なダンスを公開し、20台ほどのオプティマスが会場を回って発表会参加者と会話したり、バーコーナーでは酒をサービスする、といったパフォーマンスも行った。
オプティマスについても「2〜3万ドル、車より安い価格で販売し、家庭でのアシスタントをしたり会話を楽しんだりできる」として2026年にも販売を開始する、とした。人の呼びかけに応じて物を運んだり家事の手伝いをしたりする、というがこちらも価格面で果たして採算が取れるのか、と疑う価格設定だ。
この発表会直後にテスラ株は1割以上値を下げたが、その理由としてはこうした価格面の根拠のなさ、一般販売でライドシェア的にロボタクシーを普及させる、というビジネスモデルへの疑問、さらに発表が期待されていた「2万5000ドル程度の廉価版テスラ」の言及がなかったこと、などが挙げられる。
テスラの場合提供するモデル数が少ない、というのは投資筋からの悪材料として捉えられがちだ。しかしSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)により古いモデルでもソフトのアップデートにより最新の機能が楽しめる、という同社の戦略では、それほど車の買い替え需要が起こらず、従来の自動車業界のビジネスモデルである次々に最新モデルを投入する、というのが当てはまらないのだが、産業全体の考え方が変わるには時間がかかる。
こうした問題よりも、やはり「この価格で利益を上げることが出来るのか」が一番の疑問点だろう。マスク氏の理想に共鳴するファンは数多いが、今回もテスラはこの奇抜な方法で未来を切り開き、車が個人のものから公共性の高いものへとシフトするのか。結果が見えてくるのはこれからだ。