2024年11月24日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年11月8日

 彼の計画を推進する旅は、ウクライナが領土と何百の捕虜を獲得した国境越えの作戦の1カ月後に行われた。ゼレンスキーは、その作戦はグローバル・サウス諸国に深刻なショックを与えたと述べ、モスクワがクルスク地方からウクライナを押し返すことができないことは、彼らに「ロシア軍の状況についてのシグナルを送った」と述べた。

 彼はロシアが北朝鮮を含む兵員供給者を探しているのは事実だと述べた。韓国とウクライナは、ロシアがウクライナでの戦闘のために北朝鮮兵士を訓練していると主張してきた。

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ウクライナのNATO加盟の現実性

 ゼレンスキーの現在の考え方を明確に報道した点でこの記事は価値がある。参考になる。 

 ただし「勝利計画」の重要要素としてウクライナのNATO加盟を掲げているようであるが、その実現の可能性は、米独の消極姿勢がある中、あまりないように思われる。

 NATOは第5条で「加盟国1カ国への攻撃はNATO加盟国全体への攻撃とみなされる」としている、共同防衛条約である。ウクライナがNATO加盟国になれば、そのウクライナを攻撃しているロシアとNATOは戦争状態になることになる。そういうことをNATO諸国が今受けいれる状況にはないと考えるのが自然である。

 より現実的なのは、日米安保条約に類似した安保条約を、米国含む西側主要国が個別にウクライナとの間で結ぶことであると思われる。日本は固有の領土である北方領土を旧ソ連そしてロシアに不法占拠されているが、日米安保条約が北方領土に適用されないのは、日本の施政権がおよぶ領土にしか適用されないと同条約に明記されているからである。


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