しかし、この報告の内容が実情であるとすれば、まだまだ日本の出番が残されていると言えます。ミャンマーは、伝統的に最も親日的な国の一つです。かつては、「日本の援助さえあれば、全ての問題は一挙に解決される」と言われていたほどです。そして、日本には、ミャンマー独立以来の、熱烈なビルマ贔屓の人士がおり、ミャンマーの軍の指導者にも強い親日の傾向がありました。その貴重な財産を活用できずに、欧米主導の不当ともいうべき対ビルマ経済制裁に付き合って、無為に過ごしてきたのは、一大痛恨事と言うべきでしょう。その間、日本側の親ビルマ人士、ビルマ側の親日派の世代は、いずれも去ってしまったように思われました。
そういう状況では、最近のミャンマーの開放政策の下では、各国が一斉に同じスタート・ラインに立った感があり、歴史的経緯に由来する日本の優位性は失われてしまったようにも見えました。
ところが、この報告によると、ミャンマーへの経済進出はまだまだ難しいと言います。それならば、日本には、まだ独自のチャンスがあるのかもしれません。すなわち、一世代、二世代前からの、友好感情、お互いの民族的親近感、特に、日本人は、ミャンマー人の宗教的道徳的資質を尊敬できるということは、今でも日本に、ミャンマー進出における、他国に無い競争力を与えているのではないかと思います。
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