今後数週間、ウクライナの同盟国の仕事は、キーウがモスクワの攻撃に耐えられるようにし、ウクライナが話し合いの場で強い立場に立てるようにし、ロシアの指導者がウクライナの生存を保障する取引を受け入れる誘因を増加させることである。
英仏独はキーウにミサイルをロシアの目標に使うことを許可すべきだ。バイデン政権が、4月に議会で合意された610億ドルの支援パッケージの残余の60億ドルのウクライナ支援を急いで提供する努力をしているのは正しい。
欧州の同盟国は、トランプの取引が失敗したにもかかわらず彼がキーウへの支援を取りやめる場合、ウクライナの戦争の努力を財政的に支援するために、米国の肩代わりする準備をすべきであろう。トランプは「力による平和」を確保すると述べた。ウクライナでの公正な平和のチャンスを最大化するために西側の支援者はその力を示す必要がある。
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ウクライナの手を縛ることは避けるべき
この社説は、今回のATACMSミサイルでのロシア領内攻撃を許可するとのバイデン政権の決定を率直に支持している。時宜を得た良い社説であると評価できる。
バイデン政権は、ウクライナに兵器を与えつつ、その使用に制約を課してロシアのエスカレーションを避けようとしてきた。しかし、それは無駄であるということが、この戦争の初めから明らかになっている。無謀さが良いわけではないが、ウクライナが苦戦する中、ウクライナの手を縛る対応は全く不適切なことであった。
「ATACMSでロシアが占領している場所でウクライナの戦闘を助ければよい」、「ロシア領内への攻撃はエスカレーションにつながるので不適切である」、「ロシアの爆撃機は既に射程距離外に避難させられている」などといった論は、この戦争の現実を見ていないように思われる。この社説が指摘するように、武器庫、燃料貯蔵庫、指揮統制や兵站施設などATACMSで攻撃すべきロシア側の重要軍事施設はたくさんある。