2025年1月8日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年12月6日

 誰もトランプ次期大統領がどのように振舞うか分からない。先月、彼はレバノンに平和をもたらすと発言したが、どうやるか言わなかった。

 次期大統領はイスラエルに撤退を要求するのだろうか。さもなければ、ヒズボラを永久に殲滅しようとしてイスラエルの侵攻を支持するのだろうか。その答えは、誰が彼に助言するか次第だ。

 22年、次期大統領の娘、ティファニーがマイケル・ボウロスと結婚した。ボウロスの父親は、裕福なレバノン系アメリカ人で、この父親はトランプ次期大統領に中東政策についてアドバイスして来た。彼がレバノンについて関心を持っているのはそのためだ。

 今回の大統領選挙でのトランプ次期大統領の圧勝は、大統領就任式までの75日間にイランとイスラエルが紛争を激化させる可能性を否定し、また、その間、バイデン大統領がネタニヤフ首相と対決する事を可能にした。そして、たとえ、バイデン大統領がそうしてもトランプ次期大統領は気にしないだろう。

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トランプの商品気質に辟易する産油国

 前政権時に歴代米大統領の中でも極端に親イスラエル姿勢を示したトランプ次期米大統領の中東政策に関心が集まっているが、このエコノミスト誌の記事が、「それは誰が彼に中東政策を吹き込むかによる」としているのは正しいだろう。そして、トランプ次期大統領の気まぐれさと武力行使を嫌うという性格がどう影響するかだ。


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