■今回の一冊■
THE ASSOCIATE
著者John Grisham,出版社Doubleday,$27.95
リーガルサスペンスに戻ってきたグリシャム
日本でも人気のリーガルサスペンスの第一人者、ジョン・グリシャムの手になる20作目の小説だ。発表するとすぐに、ニューヨーク・タイムズ紙の単行本フィクション部門のベストセラーリストの1位に登場し、5月上旬まで12週連続でリストのトップ10に顔を出した。
グリシャムはデビュー2作目の「THE FIRM」(邦題・法律事務所)が1991年のアメリカの年間ベストセラーのフィクション部門で7位に躍り出て、一躍ベストセラー作家となった。
90年代後半は文字通り毎年、年間販売部数がトップとなる作品を発表した。トム・クルーズが主演した「ザ・ファーム」やジュリア・ロバーツが主演した「ペリカン文書」など、作品の多くはハリウッドで映画化され、日本でも翻訳書とともに映画もヒットした。しかし、2000年以降は一般小説を手がけることが多くなり、肩透かしをくらったように 感じるファンも出てきていた。
ようやく最近になってグリシャムがリーガルサスペンスに戻ってきて出したのが本書だ。タイトルのアソシエートとは、法律事務所で新入りの弁護士が最初にもらう肩書きだ。いわば一番下っ端の弁護士だ。