「第三段階」の始まりにさしかかり……
こうして見ると、2013年9月における中国各商業銀行の住宅ローン停止は、まさに不動産バブル崩壊の引き金であったことがよく分かるであろう。そして本文の冒頭から記したように、そこから始まった一連の連鎖反応は、まさに上述の「不動産バブル崩壊三段階」を踏むものとなった。
まずは今年の1月に全国の9割以上の大都会で不動産の売れ行きが大幅に下落したことが、すなわち第一段階であった。2月になると、冒頭の2件の「杭州不動産価格暴落事件」の発生と、廈門、温州、海口、洛陽などの「地方中堅都市」での不動産価格下落の始まりはむしろ、第二段階を過ぎて第三段階の始まりにさしかかっていることを意味するものであろう。
つまり、この原稿を書いている現在、世界経済史上最大の不動産バブル崩壊劇はすでに幕を開けているのである。
この数年間、中国のバブル崩壊を危ぶむ声がいつもどこかで聞こえてきていたが、どうやら今度は、崩壊という名の「狼」は本当にわれわれの目の前に姿を現したのである。
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