2025年12月5日(金)

お花畑の農業論にモノ申す

2025年1月21日

 そもそもネット上では日本語での情報が多いとは言えない。筆者も英語で生成AIを使うことのメリットを感じることが多い。日本語で見つからない情報を英語で聞くと適切な回答を得られることがあるからだ。前述の生成AI利用率が中国、アメリカ、イギリスで高いのは、インターネット上の情報に英語、中国語が多いのと関係がありそうだ。

 農業関係者が公開可能な情報をどんどん公開していけば農家などが日本語で生成AIを使う際に、情報の量と質が向上し、その利便性は高くなるはずだ。

AIを農家の「相棒」とするために

 2025年は、「AIエージェント元年」と言われている。AIエージェントとは、ある特定の仕事や意思決定、問題解決を人間の代わりにAIが自律的に行うものだ。デスクワークの大部分を代替してくれることも期待され、さらにAIが仕事で活用されると言われている。日本発の優秀なAIエージェントも登場してきている。

 今後、農業分野でも生成AIの利用拡大は世界的に進んでいくであろう。情報のオープン化は、生成AIだけでなくAIエージェントの利用拡大の肝になる。

 日本でも農家の能力向上のためにも官民挙げて情報のオープン化にまず取り組むべきだ。組織内に保有する技術資料や栽培マニュアルも産地競争や個人情報などの問題がなければ積極的に公開して欲しい。そうすれば農業専門家や農家が「使ってみたが、大した情報を得られなかった」ということにはならないと思う。

 情報のオープン化が進めば生成AIでの回答も有益になり、農家の利便性を高め、生成AIが「農家の相棒」になるだろう。このことは日本の農業の国際的な競争力を高めることになるにつながるに違いない。

 農業関係者がこのことを理解し、早急に情報のオープン化を進めて欲しい。そして、農業分野から見えてきたこのオープン化の重要性は、日本全体でも再認識すべきではないだろうか?

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