2025年3月25日(火)

Wedge REPORT

2025年3月23日

 就任から間もなく2カ月を迎える米国のトランプ大統領。数々の大統領令や選挙戦時から掲げていた政策の実行、国内政治や外交に関する様々な発言は毎日のニュースに事欠かない。

 なぜ、トランプ大統領は矢継ぎ早に政策を遂行できているのか。そこには、これまた個性豊かな政権を支える人たちの存在がありそうだ。

 トランプ政権の幹部たちの〝実像〟を探った記事5本を紹介する。

3度目の大統領選でも「MAGA旋風」を巻き起こしたトランプ。政権運営の行方は……(MICHAEL M.SANTIAGO/GETTYIMAGES)

<目次>

・〈バンスはトランプの「噛ませ犬」!〉これまでとは違う副大統領の姿、イーロン・マスクとの権力闘争で勝つのはどっちだ?(2025年3月17日

・〈イーロン・マスクがアメリカを壊す〉政府効率化省の“越権行為”が破壊する三権分立と法の支配、民主主義はもうないのか(2025年2月24日)

・<日本人が知らないMAGA派>トランプの元ライバルで対中強硬派外交トップの素顔(2025年3月3日)

・【注目】トランプ政権を操る超過激主義者!スティーブン・ミラー副首席補佐官とはどんな人物なのか?米国でも注目される「Illiberalism(イリベラリズム)の正体(2025年1月18日)

・<日本人が知らないMAGA派>第2次トランプ政権の幹部たちはどんな人物なのか? 副大統領、ホワイトハウス女性報道官を徹底解剖(2025年1月20日)

〈バンスはトランプの「噛ませ犬」!〉これまでとは違う副大統領の姿、イーロン・マスクとの権力闘争で勝つのはどっちだ?

バンス副大統領への注目が高まっている(UPI/アフロ)

 バンス副大統領がいま注目を集めている。2024年夏に副大統領候補に指名された時はいったい何者かと世界が注目したが、それ以降はイーロン・マスク氏の過激な言動に隠れて目立たなかった。ところが、2月中旬のミュンヘン安全保障会議と2月末のホワイトハウスでのゼレンスキー大統領との激論によって、バンスに注目が集まっている。

 ミュンヘンでバンスは、ウクライナでの戦争終結への道筋について主に発言するとの大方の期待を裏切り、安全保障とは直接関係のない問題について欧州各国の政府を正面切って批判した。欧州の指導者たちの極右と協力しないなどのやり方は、自国民の意思を無視しており、言論の自由という基本的人権の抑圧であると批判した。これは、ドイツにおいて主要政党が決議において極右とは協力しないとしていることを念頭に置いていたものだ。

 バンスはまた、イギリスにおいて中絶クリニックの傍で黙とうを捧げた人が中絶クリニックに対する抗議や追悼などを禁じる公共空間保護命令に反しているとして有罪となった事例を取り上げ、信仰深いことを罪とすることでイギリス人の信仰の自由が脅かされていると批判した。

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〈バンスはトランプの「噛ませ犬」!〉これまでとは違う副大統領の姿、イーロン・マスクとの権力闘争で勝つのはどっちだ?2025年3月17日

〈イーロン・マスクがアメリカを壊す〉政府効率化省の“越権行為”が破壊する三権分立と法の支配、民主主義はもうないのか(2025年2月24日)

 イーロン・マスクの率いる米政府効率化省は、行政府による権力奪取を隠蔽するものでもあると、2025年2月11日付のフィナンシャル・タイムズ紙 が強く批判している。

 先週、イーロン・マスクは、米連邦政府の官僚制度を攻撃する自らのプロジェクトを「人民の革命」と呼んだ。しかし実際は、トランプ大統領に支持された行政府による権力奪取のように思える。連邦政府機関の廃止、資金提供の凍結、政府職員への辞職の強要等は単なるリストラをはるかに超え、憲法が保障する三権分立と力の均衡を変えようとするものだ。

 確かに米国の官僚組織の一部は肥大し非効率で近代化が必要だ。官僚組織を改革するには抜本的な取り組みが必要な場合も多い。しかし、そこには詳細な計画、透明性、そして監督も必要だが、現在のトランプ政権からはこれら全てが欠落している。

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〈イーロン・マスクがアメリカを壊す〉政府効率化省の“越権行為”が破壊する三権分立と法の支配、民主主義はもうないのか(2025年2月24日)

<日本人が知らないMAGA派>トランプの元ライバルで対中強硬派外交トップの素顔(2025年3月3日)

実は親日のルビオ。対中強硬策が日本に飛び火しないといいが……(THE WASHINGTON POST/GETTYIMAGES)

 外交トップの国務長官には、初のラテン系となるマルコ・ルビオ(53歳)が就任した。ルビオは並外れたキャリアを歩んできた。1999年にフロリダ州議会選に立候補し、2000年の本選で民主党候補を破り見事に当選。28歳の若さだった。02年には院内総務になり、08年まで再選され、10年に上院選で当選した。両親はキューバ出身だ。16年の大統領選に立候補したが、地元フロリダ州での予備選でトランプに大敗し、選挙戦から撤退した。選挙運動中、自分の父親がウェイターとして複数のホテルで粉骨砕身働いて、家庭を支えてくれたことを語っている。

 16年の選挙ではトランプと意見の相違があったが、その後は忠誠を示し、トランプ再選のために全米で活動し、選挙資金を集めた。トランプの高関税政策を支持するなど、経済政策に関しても同調している。その一例として、ルビオは24年3月、中国製輸入車に一律2万ドルの関税を課す法案を提出している。

 外交政策の考え方は16年当時と比べるとトーンダウンしたが、彼は完膚なきまでのポピュリストであり、伝統的な保守派でもある。

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【注目】トランプ政権を操る超過激主義者!スティーブン・ミラー副首席補佐官とはどんな人物なのか?米国でも注目される「Illiberalism(イリベラリズム)の正体(2025年1月18日)

「illiberalism」の旗振り役とも言われているスティーブン・ミラー副首席補佐官(ロイター/アフロ)

 第二次トランプ政権発足に合わせ、米国メディアで「illiberalism」論議が沸騰し始めている。伝統的な自由民主主義に代わり、ルールや常道を逸脱した偏狭な主義、思想が政策立案当事者の間でにわかに浮上しつつあるからだ。その中心人物が、トランプ氏最側近のスティーブン・ミラー副首席補佐官にほかならない。

 「illiberalism(イリベラリズム)」については、「一般社会および世界の明確な規範、常識から逸脱し、個人の権利、自由に制限を加えようとする偏狭な主義、思想」「広く受け入れられている表現、思想、行動の自由を否認する特定集団の過激主義」などと定義され、一般的に、自由民主主義の対語として使用されている。

 米国ではとくに、トランプ氏が2016年大統領選勝利後、打ち出してきた常識破りの様々な政策や発言と軌を一にして、話題に上り始めた。

 そのトランプ第一次政権下の「イリベラリズム」の実態について、米コーネル大学哲学科ジャーナル「LOGOS」最近号は、次のように論じている:

 「トランプ大統領は4年間の任期を通じ、民主主義そして政治的カルチャーの堅持を旨とする様々な組織や慣行に対し、これを無視、またはあからさまな敵意を示してきたのみならず、専制体制の確立をめざしてきた。彼は幾多の憲法上の制約を乗り越え、不法移民大量追放、収容所の設置や、連邦政府内の大勢の不満分子に対する報復措置の必要を訴え、従来の官僚機構を捻じ曲げて自らの政治的意思に忠誠を尽くす人材で埋め尽くすことを公言してきた……この結果、トランプ氏はアメリカ・デモクラシーの構造そのものに対する致命的脅威とみなされてきた」

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【注目】トランプ政権を操る超過激主義者!スティーブン・ミラー副首席補佐官とはどんな人物なのか?米国でも注目される「Illiberalism(イリベラリズム)の正体(2025年1月18日)

<日本人が知らないMAGA派>第2次トランプ政権の幹部たちはどんな人物なのか? 副大統領、ホワイトハウス女性報道官を徹底解剖(2025年1月20日)

ホワイトハウス報道官キャロライン・レビット(MEGA/GC IMAGES/GETTYIMAGES)

 2025年1月20日、いよいよ、第二次トランプ政権がスタートする。周知の通り、今回の大統領選は蓋を開けてみるとトランプの圧勝だった。

 民主党のハリス候補も一時は期待を集めた。だが、筆者は、9月10日のテレビ討論会における折々の場面で、司会者の質問を完全にはぐらかす彼女の姿を見て、大統領になる資質はゼロであることを確信した。

 案の定、見る見るうちにメッキが剥がれていき、大敗を喫した。国民はバイデンのような弱い大統領や台本がないと単純な質問にも答えられない大統領ではなく、ロシアや中国に物が言える〝マッチョな〟大統領を望んでいたのである。

 下院、上院も共和党が過半数を占めるトリプルレッドになり、最高裁判所判事も過半数が保守派であることから、トランプが「強いアメリカの復活」を主張する米国第一主義(MAGA=Make America Great Again)のアジェンダを遂行し、歴史に残る黄金時代を築くための布石を打つ準備が完全に整った。

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<日本人が知らないMAGA派>第2次トランプ政権の幹部たちはどんな人物なのか? 副大統領、ホワイトハウス女性報道官を徹底解剖(2025年1月20日)

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