2025年2月7日(金)

WEDGE SPECIAL OPINION

2025年1月20日

 2025年1月20日、いよいよ、第二次トランプ政権がスタートする。周知の通り、今回の大統領選は蓋を開けてみるとトランプの圧勝だった。

3度目の大統領選でも「MAGA旋風」を巻き起こしたトランプ。政権運営の行方は……(MICHAEL M.SANTIAGO/GETTYIMAGES)

 民主党のハリス候補も一時は期待を集めた。だが、筆者は、9月10日のテレビ討論会における折々の場面で、司会者の質問を完全にはぐらかす彼女の姿を見て、大統領になる資質はゼロであることを確信した。

 案の定、見る見るうちにメッキが剥がれていき、大敗を喫した。国民はバイデンのような弱い大統領や台本がないと単純な質問にも答えられない大統領ではなく、ロシアや中国に物が言える〝マッチョな〟大統領を望んでいたのである。

 下院、上院も共和党が過半数を占めるトリプルレッドになり、最高裁判所判事も過半数が保守派であることから、トランプが「強いアメリカの復活」を主張する米国第一主義(MAGA=Make America Great Again)のアジェンダを遂行し、歴史に残る黄金時代を築くための布石を打つ準備が完全に整った。

 MAGAのアジェンダを遂行するために、選挙期間中から、より一貫して保守的な思想を持つ人材が政権に入るように作成された枠組みが「プロジェクト2025」である。

 保守系のシンクタンク「ヘリテージ財団」が主導する形で行われたが、それを指揮した前トランプ政権人事管理局(OPM)トップのポール・ダンス氏は「一期目のトランプ政権では政権移行の準備ができていなかった。トランプは『ふさわしくない人たち(wrong people)』に囲まれていた」と筆者に語った。

 実は16年の選挙ではトランプ自身、当選するとは思っておらず、政権発足後、エリートを登用しすぎて、対立が表面化した。そうした失敗を教訓に、二期目は自身に忠誠を誓う人物で政権を固めようとしている。

 『Wedge』では2025年2月号より「MAGA解剖」という連載を開始する。各回、トランプ政権の重要人物を取り上げ、今後の日米関係のあり方を探っていきたい。第1回は、2人のMAGA派を解剖する。


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