
アメリカのドナルド・トランプ大統領は17日、イエメンの反政府武装組織フーシ派が紅海の国際航路を通る船舶への攻撃を続ければ、イランが「悲惨な」結果に直面すると警告した。フーシ派は長年、イランの支援を受けている。
トランプ氏は自らのソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルに、「フーシ派によるすべての攻撃は今後、イランの武器と指導部によって行われたとみなされる」と投稿した。
トランプ氏はさらに、「イランは責任を問われ、その結果に苦しむだろう。そしてその結果は悲惨なものになる!」と書いた。
米国防総省は、米軍がイエメンで15日以降に30カ所の標的を攻撃したと発表した。今回の軍事行動は、トランプ氏の大統領復帰後、中東で最大規模のものとなっている。
一方フーシ派は、ここ2日間で3度、紅海で米空母USSハリー・S・トルーマンを攻撃したとしている。最初の攻撃は、アメリカがイエメンを空爆した後の、16日に試みた。
米当局者は、米軍の戦闘機が11機前後のドローン(無人機)を撃墜したと、BBCがアメリカ提携するCBSに説明。また、フーシ派は弾道ミサイルも発射したが、空母ハリー・S・トルーマンのはるか手前で海中に落下したと述べた。
トランプ氏は、イランがフーシ派に資金、武器、情報を提供しているとしている。イランはこれを否定している。
米国防総省は17日、イエメンに対する今回の攻撃について、ジョー・バイデン前大統領の下で許可された攻撃よりも対象が幅広いと説明。フーシ派のドローン専門家らも標的にしているとした。また、民間人が犠牲になったことを示す信頼できる情報はないとした。
米政府は、攻撃による死者にフーシ派の要人が含まれているとしている。一方、フーシ派は、これを認めていない。
米国防総省のショーン・パーネル報道官は、アメリカがイエメンの体制変革を狙っているわけではないと述べた。
一方、フーシ派は、イエメンのアル・ジャウフとフダイダの両地域に対するアメリカの空爆で、53人が死亡し、うち少なくとも5人は子どもだとしている。BBCはこれらの人数について独自に検証できていない。
フーシ派はまた、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区の封鎖を解除するまで、紅海を航行する船舶を狙い続けるとしている。フーシ派はこれまでイ、スラエルとアメリカ、イギリスと関係した船だけを紅海とアデン湾で標的にしていると主張しているが、虚偽であることも多い。
2023年11月以来、フーシ派は2隻の船を沈没させ、1隻を拿捕(だほ)し、乗組員4人を殺害している。
フーシ派はイエメンの首都サヌアと北西部を支配しているが、国際的には政府として承認されていない。
(英語記事 Trump warns Iran will face 'dire' consequences unless Houthi attacks stop)