イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区で24日に発生したイスラエル人入植者とパレスチナ人の間の暴力的な衝突の後に、イスラエル軍に連行されたとみられるパレスチナ人映画監督が25日、解放された。
一時拘束されたのは、今年の米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」のパレスチナ人監督、ハムダン・バラル氏。
受賞作の共同監督でイスラエル人のユヴァル・アブラハム氏が25日、バラル氏が解放されたと明らかにした。
留置施設から姿を見せたバラル氏は、足をひきずっているようだった。
イスラエルの入植に反対するNGO組織「ユダヤ人非暴力センター」に所属するユダヤ系アメリカ人活動家らによると、バラル氏は24日、スシャ村が襲撃された際に入植者らに家を囲まれた。
アブラハム氏は、バラル氏が救急車内で兵士に殴られ、連行されたと述べた。イスラエル側はこれを否定している。
イスラエル国防軍（IDF）は、バラル氏の名前を挙げずに、治安部隊に「石を投げた」と疑われるパレスチナ人3人とイスラエル人1人を拘束したとしていた。
「ユダヤ人非暴力センター」の活動家5人は、スシャ村での出来事を記録しようと現地に入ったところ、入植者たちから襲撃されたとしている。入植者は活動家の車の窓ガラスを割り、活動家を殴ったり棒でたたいたりしたとされる。
