
ミャンマー中部で28日午後に発生したマグニチュード(M)7.7の強い地震は、30日までに死者が少なくとも1700人、負傷者が3400人となった。軍が明らかにした。同国と隣国タイで救助活動が続いており、消防当局によると、ミャンマー北部ザガイン地方で倒壊した学校のがれきから、地震発生の約60時間後に4人が助け出された。
震源に近いミャンマー中部マンダレーでは、倒壊した団地から29人が救出された。現地消防当局が30日発表した。
首都ネピドーでは29日夜、病院のがれきの下に36時間閉じ込められていた高齢女性が救出された。
ミャンマーでは数百人が行方不明となっている。
一方、タイでは、首都バンコクで起きた建設中の高層ビルの倒壊による死者が18人に上り、依然76人が行方不明となっている。
バンコクは地盤が柔らかいことが、大きな揺れにつながった。タイのアヌティン・チャーンウィラクン副首相は30日、倒壊した建設中の高層ビルのがれきの下に生存者がいることを示す反応が見られるが、弱いものだと述べた。
タイのアカナット・プロムパン工業相は同日、高層ビルの建設に使われた鋼鉄に「異常」が見つかり、検査のためサンプルを採取したとメディアに明らかにした。
ミャンマーには国際的な救助支援チームが入り始めているが、被害が最も大きかった地域への到着は遅れている。そのため現地住民らは、がれきの下の生存者を素手で救い出している。
これまでに救助支援チームを送ったり派遣を表明したりしたのは、中国、香港、インド、マレーシア、フィリピン、ヴェトナム、インドネシア、アイルランド、韓国、ロシア、ニュージーランド、アメリカとなっている。イギリスは1000万ポンド(約19億4000万円)の支援金の提供を表明している。
日本政府は29日、「現地のニーズや治安状況、現場へのアクセスなどを踏まえて何ができるか迅速に検討しているところですが、まずは物資供与を早急に行うことを調整しています」と発表した。
被災地では余震が続いている。30日もマンダレーの北西でM5.1の揺れが記録された。
米地質調査所(USGS)によると、今回の大地震は28日午後0時50分(日本時間同3時20分)ごろ発生。震源はミャンマー・ザガイン市の北西16キロメートル、震源の深さは10キロメートルと比較的浅く、地表が強く揺れた。その12分後にも2回目の地震が発生。震源はザガインの南18キロで、M6.4だった。
こうしたなか、ミャンマーの軍事政権は、内戦が続く国内で空爆を続けている。
国軍打倒を目指す反政府グループによると、地震の震源地となったザガインの北西にあるチャンウー地区でも空爆があったという。
軍事政権は2021年2月のクーデターで権力を掌握。しかし現在は、国内の多くの地域を支配できておらず、さまざまな反政府勢力がばらばらに支配している。
クーデターで倒された文民政権を代表する国民統一政府(NUG)は、自軍が被災地で30日から2週間、「防衛行動を除き、攻撃的な軍事作戦」を休止すると表明した。
季節風(モンスーン)の季節がやってくると、ミャンマーの人々はさらに避難生活を強いられる可能性がある。
国際人道支援組織「国際救済委員会(IRC)」のローレン・エラリー氏はBBCの番組で、昨年は「深刻な洪水が発生し、住居や衛生施設が被害を受けた」、「5月には再びモンスーンの季節がやってくる。雨は4月から降り始める」と述べた。