2025年4月16日(水)

BBC News

2025年4月4日

ミャンマー軍事政権のトップ、ミンアウンフライン司令官

タイで4日、ベンガル湾に面する7カ国の指導者が集まる「ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ(BIMSTEC)」が始まった。3月28日にミャンマー中部で発生した地震で壊滅的な被害を受けているミャンマーの軍事政権トップ、ミンアウンフライン司令官は4日も出席している。

ミャンマー軍事政権によると、この地震でこれまでに死者3085人と負傷者4715人が確認された。さらに数百人が行方不明となっており、犠牲者数は増加する見込み。

AFP通信によると、ミンアウンフライン司令官は3日にバンコクに到着した。

制裁を受けている指導者は通常、こうしたイベントへの参加が禁止されているため、ミンアウンフライン司令官の出席は異例だ。

タイ外務省の報道官によると、ミンアウンフライン氏はタイ訪問にあわせ、同国のペートンターン・シナワトラ首相と会談する予定。

28日の地震では、主催国のタイでも揺れが感じられ、21人が死亡した。タイは集まった指導者たちに、この災害に関する共同声明を発表するよう提案している。BIMSTECにはタイとミャンマーのほか、バングラデシュ、ブータン、インド、ネパール、スリランカが参加している。

ミャンマーでは、地震の被害を受けた多くの地域に当局がまだ到達しておらず、死者数の統計が正確ではない可能性が高い。

地震発生以来、世界中の国々がミャンマーに援助と救助隊を派遣しているが、貧弱なインフラと継続中の内戦が、救援活動を複雑にしている。

軍事政権は2日夜に一時的な停戦を発表し、救援活動の迅速化を目指している。これ以前に政権は、武装した反政府勢力からの停戦提案を拒否し、地震で大きな被害を受けた反政府勢力の支配地域で空爆を続けていた

1日夜には、救援物資を運ぶ中国赤十字の車列に軍の部隊が発砲した。軍事政権は、停止するよう合図したにもかかわらず、車列が応じなかったため、部隊が発砲したと述べている。

ミャンマーは、2021年のクーデターで権力を掌握した軍事政権と、民族をもとにした国内の民兵集団や民主化を求める勢力などとの間で内戦が続いており、暴力が絶えない。

長年の暴力は経済をまひさせ、インフレを加速させ、国を人道危機に陥れている。

そして今、地震がこの危機をさらに悪化させている。人道支援団体は軍事政権に対し、援助を妨げている障害を取り除くよう求めている。

国連も、約1カ月後に到来する季節風(モンスーン)を前に、国際社会に対して援助を強化するよう呼びかけている。

(英語記事 Myanmar leader heads to Bangkok as quake deaths climb to 3,000

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cg72rzgrm3jo


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