重建懐徳堂の跡地は貸し会議室などが入る「マイドームおおさか」となっており、その向かいに宮川さんが営む「哲学cafe懐徳堂」がある。
人としても賢かった大坂商人に
私たちが学べること
本当の意味で賢いのは、私たちではなく、昔の人たちだと宮川さんは言う。
「特に大坂商人たちは、新しい貨幣経済という現実にどう対処していくべきか考える素晴らしい知恵を持っていました。そして、町で問題が起きると町人たちが主体的に自分たちでなんとかしようという風土があった。みんなで考えて話し合う〝場〟を大切にしていたのです。人は過去からしか学べません。先人たちが、どう生きてきたかを知り、その上で、私たちはこれからの時代、幸せになるにはどうしていくべきか、『お金=力』になってしまった時代をどう変えていくべきか、そうした根本的なことをみんなで一緒に考えていきたいですね」
宮川さんはこのcafeで、定期的に読書会や古典を読む会を開催している。「ネットでつながることもいいのですが、やっぱりリアルが一番です」。常連客が数人集まって共に考える様子はまるで〝現代の懐徳堂〟である。
「第二懐徳堂を開きたいと言う常連客もいます。大坂商人の心意気をこれからも後世に伝えていきたいですね」
